保護すべき海洋生物多様性ホットスポット上位10か所

Sea turtle
Extensive research has suggested 10 ocean locations to be protected to support biodiversity.Image: Unsplash/Wexor Tmg
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  • 造礁サンゴと海棲哺乳類は、いずれも3分の1が絶滅の危機に瀕しています。

  • その原因は、乱獲、プラスチック汚染、海洋でのトロール漁、気候変動です。

  • 海洋の健全性を真に守り、回復させるため、科学者たちは海洋の最低30%を保護するよう求めてきました

カリブ海とバミューダの間に位置する大西洋の一帯、サルガッソー海は、何世紀にもわたって船乗りたちを悩ませてきました。その名の由来となったホンダワラ属の海藻は海面を漂い、風が非常に穏やかなことでも知られています。こうした条件により、クリストファー・コロンブスの船団の乗組員を含む数え切れないほどの船乗りが「閉じ込められ」ました。彼らが乗っていたのはサンタ・マリア号。

過去500年間、サルガッソー海について語られる話のほとんどは、座礁した船や沈没船にまつわるものでした。しかし近年、科学者たちはこの海の物語を書き換えてきました。命を奪う海ではなく、命を育む海なのです。海藻だけでも、無脊椎動物100種、魚類280種、鳥類23種を支えています。

これが、13の大学・研究機関の科学者チームがサルガッソー海を公海上の生物多様性ホットスポット10か所の一つに選んだ理由の一つです。公海とは、各国の管轄範囲外にある海域を指します。研究によれば、これらの海域は海洋保護区に指定する候補として検討すべきだといいます。

彼らの提言は今年初めに学術誌Marine Policyに発表されましたが、まとめるまでには相当な作業を要しました。

未知の領域を定量化する

公海は海洋全体の3分の2を占め、その多くは遠隔地にあります。科学者たちは、そこに生息する生物の多様性と複雑さについて、今も研究を続けています。

「公海では、新種が次々と見つかっています」と、Marine Policy論文の筆頭著者で、カリフォルニア大学サンタバーバラ校のプロジェクト科学者でもあるモーガン・ヴィサリ氏は述べました。同氏は同校のベニオフ海洋イニシアチブに所属しています。

一方、同僚で論文の共著者でもあるベニオフ海洋イニシアチブ所長のダグラス・マッコーリー氏は、保全の指針に役立つ知見も数多くあると述べています。

研究チームは、データ収集に協力してもらうため、まず世界中の同僚ネットワークに連絡を取りました。

「生物学的にどんなものが存在するのか、実際にどれほど分かっているのか、どれだけのデータがあるのかに、とても感銘を受けました」と同氏は述べました。「そして、この分野で人々が何をしているのかにもです。十分に知らないという言い訳に頼ることはできません。」

研究者たちは最終的に220億件のデータポイントを分析し、保護に値する可能性のある公海域を特定しました。これは膨大なデータ処理を伴う課題でした。

分析では、海底生息環境、海洋の生産性、種の多様性と豊かさ、絶滅リスクなどの指標を調べました。また、海山や熱水噴出孔のように、標高や水温の変化が生物多様性を育む特定の地形的特徴も特定しました。

分析結果から、優先地域が主要な海盆のほぼすべてで特定され、最大の地域は南太平洋にありました。重要な地域には、サルガッソー海のほか、太平洋のコスタリカ・サーマルドーム、南タスマン海、ハワイ諸島の北西に連なる天皇海山群、インド洋のマスカリン海台、アフリカ南西沖の海底山脈であるワルビス海嶺も含まれます。

保護が提案された10の海域。Image: ピュー慈善信託

研究チームのモデルでは、保全地域の設定がもたらす「実際の、あるいは認識上の社会経済的悪影響」を避けるため、漁業活動が活発な海域を対象から外しました。また、現在重要な海域と将来も重要になる可能性の高い海域を選ぶことで、気候変動が生物多様性をどう変えるかも考慮しました。

保護の必要性

この研究は、海洋、特に公海の将来にとって極めて重要な時期に行われました。

公海の生物多様性を保護・保全するための新たな国連条約は、現在交渉が進められており、協議の焦点の一つは、各国の管轄水域外に海洋保護区を設ける枠組みをどう構築するかです。これにより、サルガッソー海や、Marine Policyの研究で特定されたその他の独自の生態系が過剰に利用されるのを防げる可能性があります。

公海を規律する現行法である国連海洋法条約は、1982年に採択されました。しかしそれ以降、人類全体の活動がもたらす影響によって、海洋ガバナンスの欠落が明らかになり始めています。

海上輸送量は1,600%増加し、プラスチック汚染は100倍に増えました。少なくとも魚類資源の3分の1が乱獲されており、マグロなど多くの回遊魚の個体数は60%以上減少しました。技術の進歩により、海底での鉱物やその他の遺伝資源の探査が増え、海底をさらうトロール漁のような、より破壊的な行為も広がっています。海水温を上昇させ、酸性化を進める気候変動は、海洋生物にさらなるリスクをもたらしています。

水温の上昇はサンゴの白化を引き起こす。 Image: CC BY-SA 2.0/ Petchrung Sukpong

こうした影響は、すでに大きな打撃をもたらしています。

画期的な報告書として昨年発表された生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学・政策プラットフォームの報告書は、世界各地で生物多様性が大幅に減少していることを明らかにしました。海洋も例外ではなく、造礁サンゴと海棲哺乳類は、いずれも3分の1が絶滅の危機に瀕しています。

学術誌Natureに掲載された最近の研究は、Marine Policyの研究のわずか数日後に発表され、私たちが重大な岐路に立っていることを示唆しています。

「私たちは、次世代に向けて、回復力に富み活気ある海を遺産として残すか、取り返しのつかないほど損なわれた海を残すかを選べる地点にいます」と、キング・アブドラ科学技術大学の海洋科学教授カルロス・ドゥアルテ氏が率いる研究者たちは記しました。

研究者たちは、十分な資源と世界的な意志があれば、2050年までに「海洋生物の量、生態系構造、機能が大幅に回復する」可能性があると述べています。その実現には、脆弱な種と生息地を守る取り組みを拡大し、汚染を減らし、そして何よりも気候変動を抑制する必要があります。

そのため、ヴィサリ氏とマッコーリー氏は、策定が進む公海条約のような取り組みが重要だと考えています。

これまでに全面的に設置された海洋保護区が占めるのは、海洋のわずか5%です。しかも、保護区の大半は各国の管轄水域にあり、そこは海洋全体の3分の1にすぎません。公海条約があれば、はるかに広い海域で、保全上重要な地域をより容易に保護対象とする枠組みを整えられます。

「産業活動は公海にもあり、ここ数十年で拡大してきました」とヴィサリ氏は述べます。「それでも、公海にはまだ手つかずの自然が多く残っています。産業がさらに拡大し続ける前に、こうした自然の海域を保護できる機会が、今まさにあります。」

海洋の健全性を真に守り、回復させるため、科学者たちは海洋の最低30%を保護するよう求めてきました。この目標の達成には、公海上の保護区を増やすことが重要です。しかし、保護する面積と同じくらい重要なのは、どこを保護するかです。

保護海域の必要性

生物多様性を長期的に変化させ、脅かす最大の要因は気候変動だとマッコーリー氏は述べています。そのため、短期的にはこれらの海域を保護することが不可欠です。

「こうした脅威の兆候はすでに現れています。気候変動を念頭に置き、漁業規制から海洋公園まで、海洋管理のあらゆる側面を常に考える必要があります」と同氏は述べました。「気候変動によって、公海の生物多様性が存在する場所は変わっていきます。その変化に備えた計画づくりにデータを活用できます。」

ドゥアルテ氏とNature論文の著者らは、「気候変動は、今後のあらゆる回復の取り組みが進むうえで、決定的な背景要因となる」と記しました。ただし、適切に管理された海洋保護区は、生態系が気温上昇や海洋化学の変化など、気候変動による脅威に対処する力を高める助けになるといいます。

実現には費用がかかります。海洋の20~30%を保全する海洋保護区の世界的なネットワークには、年間50億~190億ドルかかる可能性があると、研究者たちはNatureに記しています。

しかし、地域経済を支え、地域社会に食料を供給し、生物多様性を育むことは、互いに両立しないものではありません。研究によれば、保全に投じた資金は、新たな雇用、エコツーリズムの収入、漁業資源の回復、沿岸地域の保護による経済効果として、それを上回る額が還元されます。

ただし、公海条約のような政策や国際合意を成立させ、計画を動かすには、多くの妥協が必要だとマッコーリー氏は述べています。

「海洋経済を成り立たせるためにも、生物多様性を守るためにも、その空間が必要です」と同氏は述べました。「両立できる最適な道を見つけられるでしょうか?」

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