今年の「グローバルリスク報告書」で明らかになった3つの意外な知見

In the Global Risks Report, state-based armed conflict ranks 3rd as a risk in the next two years.
In the Global Risks Report, state-based armed conflict ranks 3rd as a risk in the next two years.Image: REUTERS/Damian Sanchez TPX IMAGES OF THE DAY
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  • グローバルリスク報告書2025年版では、短期および長期に世界が直面する最も深刻なリスクを検証しています。

  • リスクは、経済、環境、地政学、社会、テクノロジーのカテゴリーに分類されています。

  • 今年の報告書から、注目すべき意外な知見を3つ紹介します。

世界経済フォーラムのグローバルリスク報告書は、短期および長期にわたる世界のリスク状況を検証しています。今年のグローバルリスク認識調査2024-2025に含まれる33のリスクは、報告書の一次データの主な情報源です。上位にランクされたリスク以外に、意外な知見として何が3つ挙げられるでしょうか。

1. AIの変革をもたらすスピードは、過大評価されているのか、それとも過小評価されているのか?

AIの開発が大規模に展開され、企業や個人による試行も大幅に増えた今年、グローバルリスク認識調査に回答した、学術界、企業、政府、国際機関、市民社会の900人を超える専門家は、今後2年間の見通しにおいて、AI技術がもたらす悪影響を特に懸念していないようです。

今年のグローバルリスク報告書では、回答者は今後2年間のリスクとしてこれを33項目中31位に挙げました。前回版から2つ順位を下げています。10年間の見通しでは、関連する深刻度は6位へと急上昇し、長期的な懸念が大幅に高まっていることを示しています。

短期的なリスク順位の低さは、AIによる悪影響が社会に及ぶスピードを過小評価しているのか、それとも実際にまだ先のことなのかという疑問を投げかけます。今年の報告書では、AI分野の急速な変化と普及の拡大を踏まえ、こうした技術のリスクに対して油断しないよう強調しています。

リスクの状況は本質的に相互につながっており、把握するのは複雑です。短期的にはAIの悪影響は認識される深刻度が比較的低いかもしれませんが、関連するリスクはすでにこの期間で上位に位置しています。誤情報と偽情報、は2年連続で今後2年間の最大リスクに選ばれました。また、今年の調査で明らかになったリスク間の相互関連性が示すように、回答者はAIの悪影響を、誤解を招く動画、画像、音声、テキストの拡散を助長する主な要因の一つに挙げました。

グローバルリスク報告書2025。Image: 世界経済フォーラム

2. 経済の苦境はもう乗り越えたのか?

昨年版のグローバルリスク報告書では、インフレと景気後退が、今後2年間のリスク上位10項目に新たに加わり、それぞれ7位と9位でした。その後、回答者の両リスクに対する懸念は和らいでいます。今年の2年間のリスク順位では、2年先、10年先のいずれの見通しでも、経済リスクは上位10項目に入っていません。インフレは29位に、景気後退 は19位に下がり、いずれかを上位10リスクに選んだステークホルダー層はありませんでした。

しかし、油断は禁物です。今後数か月のうちに、世界各地で関税やその他の貿易制限措置の応酬が激化すれば、経済への影響は深刻になりかねません。複数の資産クラスで評価額が高まっているため、これらを含むさまざまなリスクに対する脆弱性が増しています。今年のグローバルリスク認識調査の結果によると、政府関係者の間では債務に対する懸念が続いています。ステークホルダー全体でも経済リスクの認識が一部で高まっており、犯罪および違法な経済活動は17ランク上昇して11位に、戦略資源の集中は昨年から12ランク上昇して12位になりました。

グローバルリスク報告書2025。Image: 世界経済フォーラム

3. 国内の暴力は見過ごされているリスクか?

地政学的・社会的な亀裂が深まる世界で、回答者が最も懸念しているのは国家間の武力紛争であり、 今後1年間の最大リスク、今後2年間では3位に挙げられました。また、今年の報告書では、不平等が最も相互に関連するリスクに選ばれています。

地政学的緊張が長期化し高まるなか、社会の分断が進むという厳しい見通しにもかかわらず、国内暴力(暴動、銃乱射事件、ギャングによる暴力など)の順位が低い点は注目に値します。このリスクは、国内や地域社会で起こり、死者、重傷者、物的損害をもたらす武力の行使を指します。2年間の見通しでは、回答者は国内暴力を24位に挙げました。昨年版から7ランク下がり、2025年に重大な危機を引き起こすと予想した回答者はわずか1%でした。

2025年に世界が直面する5つの最大のリスク
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国内暴力は社会的または地政学的な性質を持ち、2年間の順位で4位の社会の分極化など、他のリスクによって引き起こされたり、深刻化したりする可能性があります。現在の地政学的情勢のもと、回答者は国内暴力に関連するリスクを見過ごしているのでしょうか。2025年を迎えるにあたり、注視すべきリスクなのでしょうか。政策変更の面で先行きが読めない1年が訪れ、社会の結束をさらに脅かす事態が起こり得るうえ、無視できない経済リスクも存在します。国家間だけでなく、国内で暴力が増加する条件がそろう可能性があります。

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