COP30で何が起きたのか、そして次は?

Press conference at COP30.
COP30 showed that despite an increasingly turbulent geopolitical landscape, multilateral climate cooperation continues.Image: Rafa Neddermeyer/COP30 Brasil Amazônia/PR
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  • COP30は今年、パリ協定から10年を経て、地政学的に激動する情勢のなか、ベレンで開催されました。

  • 今年のサミットでは何が前進したのでしょうか。交渉による成果をまとめ、世界的な気候協力を継続した一方で、大きな進展を実現するには至りませんでした。

  • 各国は適応資金、適応に関する世界目標の指標、公正な移行について前進しましたが、化石燃料と森林破壊に関するロードマップについて正式な合意には至りませんでした。

  • COP30では気候行動アジェンダに突破口が開かれました。周縁的な位置づけから中心的な役割へと浮上し、実体経済の変革に向けた解決策を促すうえで不可欠なものと認識されるようになりました。

「パリ協定から10年。さらに、科学者たちが気候のティッピングポイントへの警鐘を鳴らすなか、ブラジルで開かれた第30回国連気候変動会議(COP30)は、意味のある進展をもたらしたのでしょうか。

アマゾン森林地帯への玄関口であるベレンで11月に閉幕した世界気候サミットには、世界の首脳や科学者、民間企業、市民社会のメンバー、先住民族など5万6,000人以上が参加しました。

蒸し暑く、汗ばむこともあり、時には混乱したブルーゾーンは、交渉が予定時間を超えて続くなか、緊迫した舞台となりました。ついに議長の木槌が打ち鳴らされたとき、COP30は、多国間合意が依然として可能である一方、世界のガバナンスに生じた深い亀裂を埋めるには、新しく革新的な協力モデルが必要であることを示しました。こうした新たな状況において、マルチステークホルダーによる行動は、もはや「あれば望ましい」ものではなく、進展を実現するうえで不可欠な要素です。

サミットでは、気候変動対策における健全な生態系と土地の回復の重要性が認識され、また、COP会議史上最多の先住民族代表が集まったことは、先住民族にとっての大きな前進となりました。

COP30は、既存の約束を実行に移すことを全体目標に掲げ、「実施のCOP」と銘打たれていました。では、成果はどうだったのでしょうか。

COP30の成果

今年の会議は多くの分野で不十分な結果に終わりましたが、交渉や自主的な行動アジェンダから、いくつかの明るい兆しも見られました。

レジリエンスと適応での段階的な前進:COP30は、適応資金を3倍にする合意をもって閉幕しました。新たな目標では、気候資金全体の年間3,000億ドル(COP29で合意された「新たな集団的数値目標」、NCQG)の一部として、適応資金を年間1,200億ドルに引き上げます。政治的に重要なシグナルではあるものの、この目標には基準値が含まれておらず、開発途上国のニーズを大幅に下回っています。今年の会議では、指標を採択することで、適応に関する世界目標の前進も目指しました。59の指標が採択されましたが、運用をより難しくする妥協も盛り込まれました。

公正な移行メカニズムに関する決定:各国は、新たな「公正な移行のためのベレン行動メカニズム」(BAM)を通じて、技術支援、能力構築、知識共有を強化することで合意しました。このメカニズムには、労働、人権、環境権への前例のない言及が盛り込まれています。世界経済フォーラムは、公正な移行を支援する企業の取り組みの一環として、気候変動対策を社会経済にプラスの成果と結びつける方法に関する枠組みを発表しました。

国際貿易が交渉の議題に:貿易が正式な交渉の場で議論されたのは今回が初めてで、EUの炭素国境調整メカニズム(CBAM)などの炭素関連貿易措置も含まれました。貿易に関する初の作業部会が設置され、気候アジェンダにおける貿易の重要性の高まりが示されました。

自然と熱帯林への資金提供:熱帯林永久基金(TFFF)は、熱帯林保護を目的に世界首脳会議で設立され、熱帯林を有する34カ国が支持しました。また、先住民族、地域社会、土地の権利を支援する拠出表明も行われました。ドイツはTFFF基金に11億6,000万ドルを拠出し、ノルウェー、ブラジル、インドネシア、ポルトガル、フランス、オランダも将来の資金支援を約束しました。熱帯林同盟(TFA)は、劣化した土地の回復に向け、「農業移行のための触媒資本」(CCAT)基金を立ち上げ、5,000万ドルの設立時拠出を確約しました。この基金は、森林破壊への対処と並行して、ブラジルの農家がより生産的で持続可能な農法へ移行するのを支援する金融手段を提供します。

行動アジェンダが台頭:自主的なテーマ別の「気候行動アジェンダ」は、分野や地域を越えた実践的で野心的な行動の場として認識されました。国連気候変動枠組条約(UNFCCC)のサイモン・スティール事務局長も、次のように述べています:「気候行動アジェンダは、付け足しの『あれば望ましい』ものではありません。ミッションの成否を左右する重要な要素であり、パリ協定の重要な一部です」。エネルギー・産業の移行、森林、海洋と生物多様性、食料と農業、都市とインフラ、人間・社会開発、資金調達、テクノロジーなどの主要分野で解決策を加速させるため、480を超える取り組みが始動しました。これは、実体経済における勢いと行動を示しています。

先住民族が中心的な役割を担う:約3,000人の伝統的コミュニティのメンバーがCOP30の議論に参加し、会議史上最多の先住民族参加者数となりました。気候危機への対処における先住民族の文化と土地の重要性を認識し、ブラジルはCOP30期間中に新たに10の先住民族居住地域を設けると発表しました。そのうち1つは、アマゾン国立公園の78%以上を含みます。

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COP30で実現できなかったことは…

COP30では一定の進展があったものの、重要な目標は達成されませんでした。

化石燃料の段階的廃止と森林破壊に関するロードマップの欠如:80カ国以上が化石燃料の段階的廃止に向けたロードマップを支持したにもかかわらず、最終成果文書には「化石燃料」への言及がなく、首脳らは拘束力のある約束に合意できませんでした。これを受け、コロンビアとオランダの両政府は、2026年に「化石燃料からの公正な移行に関する第1回国際会議」を共同開催すると発表し、自主的な道筋を開くことを目指します。また、交渉では森林破壊に関するロードマップの拘束力ある合意にも至りませんでした。一方、ブラジルは、ロードマップを策定する自主的なプロセスを開始し、トルコで開催予定のCOP31に提示すると発表しました。

NDC3.0の機会を逃す:COP30は、各国が今後10年間に向けた新たな、または改定した国が決定する貢献(NDC)を提出し、野心を大幅に高める機会となるはずでした。しかし、新たなNDCを提出したのは最終的に121カ国にとどまり、76カ国は依然として目標を提出していません。これらの国は世界の排出量の4分の1超(26%)を占めます。各国は初めて、今世紀中に気温上昇が1.5℃を超える可能性を認めました。

炭素市場:炭素市場に関する第6条が最重要課題だったCOP29に続き、今年のサミットでは、透明性と高い信頼性を備えた世界的な炭素市場の運用に向けて、段階的な進展にとどまり、第6.2条と第6.4条ではほとんど前進がありませんでした。しかし交渉の場外では、ブラジルが「コンプライアンス炭素市場に関するオープン連合」を立ち上げました。17カ国とEUが支持するこの連合は、共通基準を設け、炭素クレジットの取引システムを接続することで、コンプライアンス炭素市場を活用し、流動性、予測可能性、透明性を高めることを目指します。

これからは?

気候変動との闘いに勝っていると言うつもりはありません。しかし、私たちが今も確実に闘い続け、反撃しているのは間違いありません。— サイモン・スティール、UNFCCC事務局長

サイモン・スティール、UNFCCC事務局長

COP30は、地政学的情勢がますます不安定になるなかでも、多国間の気候協力が続いていることを示しました。サイモン・スティールは閉会の演説で、次のように述べました。「194カ国が初めて声をそろえ、『温室効果ガスの排出が少なく、気候変動に強い世界への移行は不可逆であり、未来の潮流である』と宣言しました。194カ国が一語一句この文言に合意したのは、それが真実だからです。再生可能エネルギーへの投資額は、化石燃料への投資額の2倍に達しています。これは無視できない政治的、そして市場のシグナルです。」

しかし、気候変動対策の将来を、正式な交渉による合意だけに頼ることはできません。行動アジェンダから生まれた解決策や革新、取り組みが示すように、正式な行動と自主的な行動を組み合わせることが、ますます重要になっています。

ダボスに向けて

1月に開催されるダボスでの世界経済フォーラム年次総会は、COP30後初の主要な官民フォーラムとなります。

「対話の精神」をテーマに、各国の代表者が国連の気候変動協議で浮上した幅広い課題について議論します。分断が進む世界での協力の実現、人と地球への投資、責任あるイノベーションの大規模展開などが議題となります。

COP31に向けて

オーストラリアとトルコが来年のCOP31を共同開催する予定です。政府間交渉はオーストラリアが主導し、会議は2026年11月に地中海沿岸の都市アンタルヤで開催される予定です。

パプアニューギニアは、オーストラリアが最終的にトルコに開催を譲ったことへの不満を表明しました。当初の計画では、南太平洋諸国が緊密に関与する予定でした。海面上昇や気候災害の影響をいかに差し迫って受けているかを強調するためです。

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