かつて南米一豊かだったベネズエラ。何が破綻を招いたのか

A man with a Venezuelan flag stands in a street after a strike called to protest against Venezuelan President Nicolas Maduro's government in Caracas, Venezuela, July 29, 2017. REUTERS/Ueslei Marcelino - RTS19OHZ
Inflation stood at an eye-watering 800% last yearImage: REUTERS/Ueslei Marcelino
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つい最近まで、ベネズエラでは、都市部に住む高学歴の人々を中心とする国民のほぼ全員が、安全な飲料水や衛生設備、電気を利用できた。世界最大の確認済み化石燃料埋蔵量を持つ豊かな国だった。

しかし、経済は危険なペースで縮小し、同時にインフレは制御不能なほど急上昇している。その結果、貧困と暴力を伴う混乱が広がった。

何がこれほどの事態を招いたのか。ベネズエラ経済の崩壊を詳しく見てみよう。

急落する経済

ベネズエラが大陸一の富裕国だった2001年の華やかな時代は、とうに過ぎ去った。

昨年、経済は18.6%縮小した。2017年には、少なくともGDPで見ると2013年より35%縮小し、1人当たりGDPは40%低下している。

昨年のインフレ率は目を疑う800%に達し、2017年末までに1,600%に達する可能性があるとの予測もあった。

通貨ボリバルは、事実上無価値と言えるほど切り下げられている。

ボリバルと米ドルの公式為替レートは、1ドル当たり約10ボリバルだ。しかし実際には1万ボリバルに近い。

分析によると、7月末時点で、1ドルは約10,389ボリバルに相当した。わずか1週間前の8,000ボリバルから上昇している。

Image: IMF、ロイター

危機に至った経緯

外貨取引や生活必需品の価格に対する統制が深刻な問題を引き起こしてきた。歯止めのない財政支出や、民間産業から資金を吸い上げる政府の姿勢も同様だ。

もう一つの主な原因は、ベネズエラの輸出収入のほぼすべてを生み出す国営石油会社PDVSAの経営失策だ。

最盛期のベネズエラ経済は石油収入に支えられていた。ベネズエラの人々は、原油価格が1バレル100ドルだった時代を懐かしく振り返る。

昨年、1バレル21ドルまで下落した原油価格の急落は、大きな打撃となった。

さらに、生産量の減少が状況を悪化させている。昨年の生産量は10%減少し、2017年に増加する見込みはない。

Image: FactSet

残念ながら、苦境を抜け出す見通しはほとんどない。原油価格が上昇に転じると期待する人もいるが、兆しは明るくない。

飢えと抗議

小麦粉や米などの生活必需品が不足し、物価が急上昇したことで、食料をめぐる暴動や略奪が起きている。

多くのベネズエラ国民が飢えに苦しんでいる。残り物を食べてしのぐ人々の話も聞かれ、中には店の外に捨てられたごみをあさる人もいる。

外食できるだけの余裕があるわずかな人々も、食事代をいくら払えばよいのか分からない。為替変動をめぐる混乱から、定価を使わなくなったレストランもあるためだ。紙幣を額面で受け取らず、重さを量る店もある。

カラカスでは、店の外に長い行列ができる光景が日常となっているImage: ロイター/カルロス・ガルシア・ローリンズ

消費財の価格が急騰し、生活の質が急落する中、多くのベネズエラ国民が国外への移住を望むのも無理はない。

その結果、パスポート発給所には長い行列ができている。申請者が海外で新生活を始めるために必要な書類を実際に受け取るまで、数か月かかることもある。

南米の他の国々では、ベネズエラから逃れようとする人々の数の多さが、大規模な移民危機を引き起こしかねないとの懸念が強まっている。

数か月にわたる反政府デモで、120人以上が死亡し、数百人が負傷した。

さらに、憲法を改正してニコラス・マドゥロ大統領に広範な権限を与える可能性のある新議会が最近選出され、緊張が一段と高まっている。

Image: ロイター

今後どうなるのか

ベネズエラは今、危機一髪の状況にある。

経済が回復すれば、内戦の瀬戸際から立ち戻れる可能性はまだある。マドゥロ大統領は以前、2017年は「ベネズエラ経済の新たな歴史の最初の年」になると述べ、楽観的な見方を示していた。

その予言が実現するまでの時間は、残り少なくなっている。

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