新型ガジェットで新型コロナウイルス感染症に立ち向かう

A simple lung ventilator called Q-Vent, for infected patients facing the coronavirus disease (COVID-19), which was created at Comenius University, is seen in Bratislava, Slovakia April 2, 2020. Picture taken April 2, 2020. This device don't replace lung ventilation but helps ride through a certain period of waiting for the lung ventilation – which is the biggest problem in Italy. REUTERS/Radovan Stoklasa - RC21XF931X4G
Researchers all across the world are coming up with new inventions to help tackle coronavirus.Image: REUTERS/Radovan Stoklasa
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  • 3Dプリントできるハンズフリーのドアオープナーから簡易人工呼吸器まで、新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、緊急性の高いイノベーションの新時代をもたらしました。

  • それは、最初のデジタルコンピューターやロケット技術が登場した第二次世界大戦中の発明を思い起こさせます。

新型コロナウイルス感染症は、産業や社会生活、身だしなみの基準に壊滅的な影響を及ぼしているかもしれませんが、同時に別の分野では創造性のほとばしりを促しています。

スパイダーマンを思わせる手首装着型の消毒スプレーから、顔に触れそうになるたびに振動するリストバンドまで、数々の新しい試作品が、逆境に直面したときに人間の創意工夫が発揮できる力を示しています。

ここでは、最新のコロナウイルス関連の発明をいくつか紹介します。

ハンズフリーのドアオープナー

衛生面に配慮したドアフックがいくつか開発中です。消毒した手でドアを開けなければならない厄介な場面を乗り切るためのものです。

疫学者らは、コロナウイルスはステンレス鋼のような表面で3日間生存できると推定しています。そのため、手指の消毒が生死を左右する病棟などでは、こうした器具が状況を一変させる可能性があります。

すでに市場に出ているドア開閉器具もあります。その一つが、ロンドンを拠点とするデザイナー、スティーブ・ブルックスが開発した「hygienehook」です。ポケットに入るほど小さく、洗浄しやすい非多孔質素材で作られたこの器具は、すでに4種類が販売されています。ブルックスにはNHSウェールズから問い合わせがあり、販売したフック1個につき1個を寄付しています。

スティーブ・ブルックスがデザインしたHygienehook。Image: Steve Brooks/DDB Ltd

3Dプリントが広く普及し、ハイテクソフトウェアが利用される時代です。ダイソンやフォードを含む多くの大手メーカーが医療機器の製造へと関心を移すなか、小規模な製造業者がかつてないほど先頭に立っています。

すべてのデザインを商品化する必要はありません。ウェールズ出身のウィン・グリフィスは、ハンズフリーのドアオープナーを考案しました。前腕で操作でき、ドアノブに取り付けて使うもので、妻が病院を訪れ、職員が直面している困難を目にしたことがきっかけでした。その後グリフィスは、3Dデザインをオンラインで無料公開し、できるだけ多くの場所でハンドルを印刷・配布するよう呼びかけています。

「3Dプリンターを持っている人が、地域の病院や一般の人が訪れる場所でこれを配布し、全国の人々の役に立てることを願っています」と、彼はBBCに語りました。

マスクと人工呼吸器

Virustatic Shieldには抗ウイルスコーティングが施されています。Image: Virustatic Shield

人命を救う可能性のある最近の特許には、抗ウイルスコーティングを施したスヌード型マスクもあります。Virustatic Shieldが開発したもので、週100万個まで生産を拡大し、在庫の一部を英国の国民保健サービス向けに確保する計画です。

一方、ウェールズのカーマーゼンにあるグランウィリ病院のリース・トーマス医師は、世界的な健康上の懸念に正面から取り組み、「シンプルで堅牢な」簡易人工呼吸器を考案しました。患者の呼吸を助けるために設計され、新型コロナウイルス感染症の原因ウイルスも不活化します。

「ICU用人工呼吸器に取って代わるものではありませんが、まずこの人工呼吸器で治療すれば、大半の患者は集中治療を必要としないでしょう」と彼は述べました。

「この装置は室内のウイルス粒子も除去し、患者に浄化された空気だけを供給します。患者は自分でケアできるため、専門看護師はほかの業務にあたれます。」

新型コロナウイルス対策のコンテスト

技術革新への機運を生かし、新型コロナウイルス感染症に着想を得た新たなアイデアを発掘するため、カリフォルニア州の3Dモデリング企業CAD Crowdは、1か月にわたる試作品コンテストを開始しました。

執筆時点で、77件の応募作品は、印刷可能な防護フェイスシールドやスーパーの青果売り場向けの仮設アクリル扉といった実用的なものから、使い捨てのドアノブカバーや肘で操作するエレベーターボタン用延長器具といった独創的なものまで多岐にわたります。

足で操作するドアノブなど、これらのデザインのいくつかは、手指衛生に対する意識が恒久的に変わるかもしれない世界で、実際に長く使われる可能性があります。

国民の力が必要です

イノベーションの急増は、大きな苦難と優れた創意工夫が共存した別の時代、すなわち第二次世界大戦との比較を呼んでいます。

あの過酷な世界規模の戦いのさなかに初めて生まれた発明のいくつかは、その後、私たちの日常生活に欠かせないものとなりました。

たとえば、ロケット技術は、戦後数十年のうちに人類の月面到達や人工衛星の軌道投入を可能にしました。ジェット機のエンジンと与圧客室も、1939~45年の戦争中に初めて開発され、その後、民間航空機の技術に取り入れられました。

レーダーが広く使われるようになったのは、1941年のバトル・オブ・ブリテンが最初です。数で勝るヒトラー率いるドイツ空軍を、苦境に立たされた英国空軍が退け、ナチスによるイングランド南部侵攻を阻止しました。現在、レーダーは世界各地のミサイル防衛システムに欠かせない要素となっています。

発明のリストは軍事機器にとどまりません。万年筆のようにインクがこぼれることのないボールペンは1938年に発明され、最初の顧客の一つは英国空軍でした。高高度ではインク貯蔵式のペンが漏れやすかったため、パイロット用に3万本が注文されました。

瞬間接着剤は1942年に偶然発見されました。銃の照準器を製造しようとしていた人物によるもので、初期のプログラム可能なデジタルコンピューターは、英国のブレッチリー・パークで暗号解読にあたった人々によって開発が進められました。

新型コロナウイルスとの闘いで生み出されるものは、こうした戦時中の発明に匹敵するでしょうか。答えはまだ分かりません。それまでの間、逆境に直面しても人間の創意工夫が発揮されているという報告は、希望の光となっています。

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